評価基準とその考え方
INDEX
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T.1 事業所に関する情報等の提供
/ T.2 サービスの質の向上
.事業所の運営
.2 サービスの質の向上
.2.1 サービスの質の向上を目的とした検討体制を整備している。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
サービスの質向上を目的とした委員会などを定期的に開催している。
□
委員会などの検討内容や結果を記録している。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[ポイント]
質の向上を意図的・計画的なものとするため、評価→課題の把握→質の向上に向けた取組の検討→その取組を実現するための措置、という一連の流れを整備することが必要となる。
苦情解決のような必要時の検討ではなく、定期的にサービスを見直していることを評価する。
事業所の職員数が少数等の場合で、事業所単独の委員会等ではなく、法人が主催している会議等に参加している場合であっても、本基準の趣旨に照らして評価するが、地域の協議会等による外部のものは評価の対象としない。
事業所の職員が1名の場合、本部等における委員会の開催や、外部の関係者と連携した質向上を目的とした主体的な取組を評価する。
連絡・報告を中心として行われる事業所内の職員会議やケースカンファレンス、ケース会議は原則として評価の対象としないが、困難事例などを協議だけではなく、その結果のマニュアル化(標準化)等により、サービスの質の向上につながる取組として確認できる場合は評価の対象とする。
検討内容や結果の記録は、サービスの質の向上のを目的として、その計画に沿って、どのような議論が行われ、その取組を実現するにいたった経緯・手法等、一連の流れが記録により明らかにされていること。
[事 例]
「サービスの質向上」を目的とした委員会の議題
例:
「車いすを利用しやすくしよう」「残食を減らそう」「お年寄りとの会話を長くするには」「忘れ物をなくすには」「ケース記録の書き方を統一しよう」「電話・来客の対応をスムーズにしよう」「確実に伝達しよう」など
[用 語]
委員会など: サービスの質を向上させることを目的として設置し、具体的な協議題のもとに開催するものを指す。(例:サービス改善委員会)
定期的: 年2回以上で、あらかじめ定められた時期によるものを指す。
.2.2 サービスの質の向上への取組に職員が参加している。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
定期的に職員からの提案を募集している。
□
職員の意見を聴取するための場を設けている。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[ポイント]
現場を熟知している職員から提案される意見を、積極的に受け入れることのできるような環境を整えるために、定期的に職員が提案できる仕組みがあることを評価する。
あわせて、個々の職員が自身の業務を自己評価を行える体制も考慮しなければな
らない。
通常業務上の会議の場で、あるいは業務時間中であればいつでも意見を言える、というような環境は当然のこととして、評価の対象としない。
[事 例]
提案の募集方法
例:
業務改善提案書(業務改善提案箱の設置等)、アンケートの実施等での募集のほか個別面談での意見聴取など、意見を積極的に引き出す取組による。
職員の意見を聴取するための場
例:
職員の意見を聴取するために、定期的な会議等を開催するなど。
[用 語]
定期的:年1回以上で、あらかじめ定められた時期によるものを指す。
.2.3 サービスの質の向上への取組に利用者やその家族等の意見を取り入れている。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
定期的に利用者やその家族等の意見を聞く機会を設けている。
□
出された意見を検討している。
□
出された意見の対応結果の説明・報告を利用者やその家族等に対して行ってい
る。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[目 的]
この項目は、利用者やその家族等の苦情を解決するためのものではなく、利用者やその家族の視点で気が付いたことなどを汲み上げ、質の向上につなげる事業所の姿勢を評価するもので、
-1-2の苦情解決とは視点が異なる。
[ポイント]
意見を聞く機会の設定→聞いた意見の検討→その結果の説明・報告、という一連の流れによって、事業所の説明責任を確保していること。
が非該当の場合には、
・
も非該当となる。
事業所と利用者の関係は対等ではあるものの、直接サービスを提供している職員では利用者やその家族等から意見を引き出しにくい。苦情や不満に至らないまでの意見も含め、事業所が受け入れる姿勢の積極的な表明と、その機会づくりが必要となるため、定期的な取組を評価する。
直接サービスを提供している職員が利用者やその家族等と日常的に接する場面で聞いているというようなことは当然のこととし、利用者会や家族会等の機会の設定や、アンケートの実施等による事業所からのアプローチを評価する。
利用者の家族等から意見を聴取する際には、利用者の状況やサービスの実施状況等の情報の十分な提供(評価項目:
.1.6)がなされることが重要といえる。
介護相談員の受け入れについては評価しない。(評価項目
.1.2で評価するので)
[事 例]
利用者やその家族等の意見を聞くための取組事例
例:
意見箱の設置、利用者アンケートの実施、家族会・利用者会の開催、行事開催時に家族介護教室などを開催する、第三者委員による訪問 等
[用 語]
定期的:年1回以上で、あらかじめ定められた時期によるものを指す。
意見:嗜好調査等の個々のサービスに反映するための意見ではなく、事業所が行うサービス全般に対する意見を指す。
.2.4 サービスの質の向上に向けた計画的な取組を行っている。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
サービス内容や実施体制に関する事業所の中・長期的な課題や問題点を明らかにしている。
□
課題や問題点を克服するための目標を設定した3年間程度の中・長期計画を策定している。
□
中・長期計画の当該年度の内容を反映した1年ごとの事業計画を策定している。
□
事業計画の評価を行うために、職員の意見を聞いている。
□
事業計画の評価を行うために、利用者やその家族等の意見を聞いている。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[ポイント]
が非該当の場合、以下
〜
は非該当となる。
が非該当の場合、以下
〜
は非該当となる。
が非該当の場合は
、
は非該当となる。
基準の流れとしては
[1]事業所が実施しているサービス内容や、職員体制等のサービス実施組織について分析を行い、[2]その課題等を明らかにした上で、[3]その問題点を克服するための目標を設定し、[4]その目標達成に向けて計画を策定、[5]計画の実行、評価という取組を期待する。
質の向上を抽象的なものではなく、達成されるべきものとして具体的に捉え、事業所として何にどう取り組むべきかを明文化していることを評価する。
事業計画は、具体的に実現を目指すものであり、達成状況を評価することからも、数値化のような指標を設けることも一方法といえる。
事業計画の評価を行う際には、職員及び利用者やその家族等の意見を評価材料として用いることで客観的なものとする必要がある。
職員数の多い事業所などでは、少なくとも、介護や調理等各職種の責任者の意見を聞いているものとする。
[事 例]
「職員の意見を聞いている」方法例
年度末に目標に対する達成状況について全職員からレポートを徴集し、そのレポートを管理者がとりまとめ、その結果に基づいて職員会議における事業計画の検討を行っている。
[用 語]
中・長期計画: 数年間(3年間程度)を指し、中期計画と長期計画は別ではなく1つの計画をいう。
課題や問題点: 利用者一人ひとりのサービスに関するものではなく、事業所として取り組むべきサービスの質に関する課題等を指す。
例えば、ニーズに対する職員の資質(知識・技術の向上)、人員配置、事業の拡大・縮小、施設整備などが考えられる。
事業計画: 行事等を行うための計画ではなく、事業所の運営にあたり取り組むべき内容を定めたものを指す。
職員: 常勤・非常勤又は職種を問わず、当該事業所に1年以上雇用される職員を指す。
.2.5 職員の資質向上に向けた体制を整備している。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
職員一人ひとりに必要な知識や技術などを明らかにしている。
□
職員一人ひとりに必要な資質・技術の修得に向けた研修計画を策定している。
□
職員の資質向上を一元的に推進するための担当者を設置している。
□
職員の人事方針は資質向上に向けた目標と整合がとれている。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[ポイント]
事業所の機能を果たすために必要な職員の資格取得や資質向上を事業所の事業と捉え、意図的・計画的なものとしていることを評価する。
職員からの自発的な研修ニーズへの対応は当然のこととし、職員の資質向上への課題を事業所として捉え、目標とし、書面で定めていること。
「職員一人ひとり」とは、個々の職員とすることが望ましいが、事業所等の規模により、「○○職△年目で必要な技術は
□
□
」という設定もさしつかえない。
人材の能力開発、育成に配慮した人事方針を定め、職員の意欲が呼び起こされ、組織が活性化することを目指すものであること。
賃金や処遇について格差を付けるための手段として用いられている人事方針は評価の対象としない。
法人による一括した取組であっても、本基準に趣旨に照らして評価する。
[事 例]
組織としての資質向上に向けた体制の例
(1)個人目標の設定、(2)育成計画と実施、(3)評価・フィードバック、(4)自己啓発を支援する体制が整っている。
職員一人ひとりに必要な知識や技術の例
「介護職員の技術向上のための関連資格取得」「相談員の面接技術向上のための関連資格取得」、「栄養士の管理栄養士資格の取得」、「調理職員に嚥下機能などを理解させるための講習会受講」などのほか、新しい知識や技術の修得に向けた情報収集や講習受講、などが考えられる。
事業所内のサービスの職務のそれぞれの役割や内容等を考慮することが必要となる。
また、有資格者であっても、各人が担当する業務の遂行能力の向上のためには、専門性を高めることのほか、組織上での役割などにおける知識や資質なの修得も考えられる。
[用 語]
研修: 事業所の内外を問わない。
一元的: 職員一人ひとりの研修を統括し、その実施状況を総合的に把握・管理することを指す。(研修履歴の管理、研修成果の把握、必要となる研修内容の分析等)
人事方針: 職種毎に経験年数や技能に応じたポストへの人員配置や昇進などの方針を定めたものをいう。
.2.6 職員の研修機会を確保している。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
事業所内研修を定期的に行っている。
□
職員を外部の研修会に積極的に参加させている。
□
外部研修会の参加者による事業所内の伝達講習又は参加レポートの提出を行っている。
□
職員の個別研修活動を支援している。
□
新規採用職員のための系統的な研修プログラムを用意している。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[ポイント]
計画的な資格取得や研修会の参加等の研修機会が確保されていることを評価する。
事業所が必要として研修機会を確保するものであり、職員の勤務時間外に位置づけているものや経費を自己負担しているものは評価の対象としない。
個別研修活動の支援は、事業所が必要とする資格等の取得、資質の向上等をするための活動と認めた場合、金銭的な支援、勤務体制のやりくりの支援等をいう。
事業所に新たに採用された職員のサービス水準をいち早く確保するため、具体的なプログラムに基づいて研修を行うこと。技術的なものは当然のこととして、事業所の基本方針の徹底を行う等、長期的・継続的なものを含む。
研修機会の確保には金銭的な支援が行われていることが必要。
[用 語]
定期的: 年1回以上で、あらかじめ定められた時期によるものを指す。
職員: 正規からアルバイトまで、サービスに従事する全ての職員とすることが望ましいが、人材育成の観点、計画的な資格取得、職員の立場に対して求める資質、技術、技能によって、対象とする職員を判断してさしつかえない。ただし、事業所として、統一した基準を設けることが必要。(例:正規職員のみ。正規ではないが3年以上の勤務実績がある職員まで含む。等)
外部の研修会: 研修会・学会への参加だけではなく、他事業所、展示会等の見学も含む。
.2.7 職員に対するスーパービジョン(指導・助言)体制を整備している。
A)
次の取組の全てを実施している。
□
職員に対する指導・助言を定期的に行う機会がある。
□
常に職員が事業所内で指導・助言を受けることができる体制を整備している。
□
必要に応じて、外部の専門機関の支援を受けることができる体制を整備している。
B)
Aの取組の一部は実施している。
C)
Aの取組のいずれも実施していない。
[目 的]
事業所内の職員の業務上の不安を取り除き、バーンアウト(燃え尽き症候群)などの事態を回避するための体制を整備する。
[ポイント]
個々の職員が行っているサービス提供に対して、定期的かつ必要に応じて指導・助言を行うことのできる体制があることを評価する。
職員への同行や事例検討会等を定期的に行うことで、職員一人ひとりのサービス提供過程を振り返る場を、事業所として設けることが必要となる。
指導・助言のための部門や担当者の設置等、職員の気づきにあわせて対応できる体制を評価する。
事業所内の職員で支援できない分野においては、外部の専門機関との連携が必要となる。
[事 例]
事業所内の体制の例:<訪問介護>
※業務管理方法、機関の方針・手順の遵守、同僚とのチームワークのあり方などについては管理スタッフが、面接技術の指導や困難ケース対応への助言などは有資格者が行う。
職 種
資 格
職務内容
スーパービジョン体制
管理者
A
従事者・事業の一元管理と
必要な指揮命令
AはB〜Fに対して行う
サービス提供
責任者
ケアマネージャー
介護福祉士
B
C
指定訪問介護事業に係る
サービス内容の管理
B、CはD〜Fに対して行う
提
供
者
訪問介護員等
介護福祉士、
ホームヘルパー1級、
ホームヘルパー2級
D
E
F
指定介護サービスの提供
DはE、Fに対して行う
外部の専門機関の支援の例
※介護の技術的な問題に医師や看護師、栄養士等の指導や助言が必要な事態が生じたとき、同一法人の医療機関に随時(または定期的に相談会を持って)対応方法などの指導・助言を求めることができる。
[用 語]
スーパービジョン: 熟練した指導者が、職員から担当している事例の内容・援助方法について報告を受け、それに基づき職員に適切な訓練・指導・精神的援助等を行うことを指す。
定期的: 年1回以上で、あらかじめ定められた時期によるものを指す。
外部の専門機関: 病院や保健センター(医師、看護師、保健師、栄養士、理学療法士、作業療法士等の専門的な技術を持つ者)等
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